ネズミは可愛らしいイメージがありますが、いろんな細菌を保菌していることがあります。
日本においても、かつて中世ヨーロッパにおいて猛威をふるったペストが大流行したことがあります。
では、いったいネズミとペストの間には、どのような関連があるのでしょうか?
今回は、それをテーマにして話していきたいと思います。
ペストに感染したネズミからヒトへどうやって感染するの?
ペスト菌に感染したネズミの血をノミが吸います。
ペスト菌を保菌したノミにヒトが刺されると、およそ数日から一週間の潜伏期間の後、リンパ節のはれ、皮膚の小出血斑や高熱を起こします。
菌が全身に回ると、敗血症を起こしショックなど重い症状になります。
どこかの臓器で細菌が増殖し、そこから血中へ細菌が送り出され、全身が感染した状態を指します。
意識障害や呼吸困難に陥ったり、発熱や発疹が現れたり、ショック症状を起こしたりすることがあります。
また、菌が肺に回ると肺ペストを起こし、痰から別のヒトに伝染することもあります。
肺ペストは二次的に発症することが多いです。
症状は菌の拡散後1~6日後から起こり、強烈な頭痛と高熱・呼吸困難・胸痛などが生じます。
臨嘔吐・腹痛・下痢などの消化器症状を伴うことが多いのも特徴です。
また、亡くなる可能性も高いと言われています。
ネズミを中間宿主としてペストが日本で流行したのはいつ?
大阪における第一回のペスト流行1899~1900では、肺ペストによる多数の犠牲者が出ています。
医者やその家族などにも犠牲となり、入院患者161人中、全治わずか15人に過ぎませんでした。
1900年の12月に終焉しています。
第二回の大阪での流行は、日露戦争に関連して1950年から1911年の長期にわたり大流行しています。
その後、小流行を繰り返し1921年4月に1人が入院して、これが国内入院患者の最後と言われています。
まとめ
日本国内において最近感染した人の報告例はありません。
しかし、海外などではまだまだ流行っている地域もあります。
旅行などで海外へ行かれる方は、むやみに小動物に触れないように注意しましょう。