ネズミサイズからヒトへ、いったいどんな進化を遂げたのでしょうか?
ヒトを含む哺乳類の祖先を探る面白い研究がアメリカで行われていました。
この研究の一部をテーマに、その内容を紹介していきたいと思います。
ネズミサイズから人間へとつながる進化の過程
人類を含む哺乳類の祖先は、虫を食べるネズミサイズの4足歩行動物だったとする論文が発表されました。2013年2月7日に米科学財団(National Science Foundation)からです。
6年におよぶ国際研究では、現代と先史時代のさまざまな種の遺伝的・身体的特性を含むデータを分析し、
哺乳類の進化の詳しい流れを再現しています。
その中でも、人類やウマ、クジラなどを含む胎盤哺乳類に着目しています。
これまで受け入れられていた仮説では、地球上の恐竜を含む全生物種の70%が消え去ってしまう前にも、
いろんな胎盤哺乳類が存在していたと考えられていました。
今回の説によると、恐竜が絶滅してから20万~40万年後、小さな胎盤哺乳類が枝分かれを始め、
驚異的な多様性を持つようになったそうです。
従来説は、遺伝データのみに基づいていたのに対し、今回の研究では遺伝的証拠と解剖学、
化石に残された証拠を組み合わせ、より詳細な胎盤哺乳類の進化の過程をたどることに成功しています。
主筆のモーリーン・オリアリー(Maureen O’Leary)氏(米ニューヨーク・ストーニーブルック大学)とアメリカ自然史博物館は、進化の分岐点を恐竜の絶滅後と特定できたことが重要だと述べています。
説明によると、哺乳類は恐竜の絶滅後に、忙しく動き回っていた小さな動物から枝分かれしたそうです。
齧歯類(げっしるい)や霊長類は鳥類を除く恐竜と一緒に生活していたわけではありません。
まとめ
哺乳類の進化の新たな研究によって、次のことが分かりました。
恐竜が生きていたころに、ネズミやサルやゴリラの仲間が存在していませんでした。
恐竜が絶えた後に、ネズミのような小動物が分化し、種の多様性が生まれました。